感謝、信頼、そして温かな绊

私はかつて人波に埋もれる、ごく平凡な存在でした。当初は特別な理想や追求を抱いているわけでもありませんでした。しかし私は非常に幸運な出会いに恵まれた人間です。これまでの就業生活の中で、多くの温かく親切なクライアントと出会い、彼らの助けと支えが、私の考え方と人生を全く違う物に変えてくれました。

2012年、私たちは初の海外支社工場を設立しました。会社設立直後、最初のお客様であるリコー様が工場監査に来られました。当時、社長が冗談半分で「工場監査に落ちたら自殺しかない」と言ったことを今でも耳に残っています。

当時のタイではインターネット環境が極めて悪く、毎回お客様からメールが届くと、まだメールを開かないうちに社長より心配している電話がかかって来てこう言いました。「すぐにお客様に返信するようにしてください」その後も、お客様からのメールが届くたびに、まるで受信機をいつも耳に取り付けたかのように電話がかかってきて、すぐに返信するように催促され、すべてのお客様メールは社長をCC入れて送らなければなりませんでした。平日の社長は非常に忙しく、一般社員が会うのは非常に困難でしたが、これらの件に関しては社長自らが細かくチェックしていました。私も大きなプレッシャーを感じ、毎日戦場にいるような気分でした。

翌月に、お客様の内製工場から 4 点の部品の生産移管を受け、生産を開始しました。金型業界の方ならご存知の通り、金型移管後は試作が必要であり、試作ごとに専門の成形技術者による成形条件の調整が欠かせません。当時の生産現場は空調設備がなく、猛暑の中、気温は 40 度近くまで上昇し、厳しい作業環境でした。

しかし、お客様の技術者である伊藤様は、猛暑にもかかわらず、文句一つ言わず3週間も私たちの生産現場にいらしてくださり、成形試作や成形条件の調整、そして製品の量産化に至るまで、休むことなく協力してくださりました。彼の献身的なご尽力のおかげで、当社は徐々に軌道に乗ることができ、その後、38 点の部品が順次移管され、また新機種の受注も受け、会社は安定した成長を遂げることができました。チームの努力とお客様のご支援により、会社は成長と発展を続け、3年後には第二工場を建設いたしました。

その後、私は中国に戻り、マッサージ機業務を開始、主に日本、香港、マカオ、台湾、韓国などのお客様とのやり取りを担当しました。

入社して間もない頃、大きな問題に直面しました。ハンドマッサージャーを積んだ 20GP コンテナがお客様の元に到着した後、アダプターの仕様がお客様の要件に一致していないことが判明しました。困り果てた私たちは、サプライヤー様に緊急連絡してアダプターを作り直し、すぐにお客様に送るしかありませんでした。このミスは、お客様の納期遅延を引き起こし、多大な迷惑をかけただけでなく、エンドユーザーにも大きな影響を与えました。しかし、人件費の高い日本において、お客様はアダプターの修正と交換を無償で協力してくださいましたうえ、リワーク費用の半額だけの請求で済めせてくださいました。

運命はいつも私たちを試すようです。そして今度は40HQコンテナに積まれたマッサージチェアが日本に到着した後、再び深刻な問題が発生しました。お客様は革製カバーが全てシワになっていることに気づきました。商品はすでに日本に到着していたため、お客様は再び業者に商品の修正を依頼しました。今回もほぼ完全に当社側の責任でしたが、お客様からは一切の費用請求は強要されませんでした。

このように心から感動させてくれる出来事はまだたくさんあります。お客様の信頼に応えるため、私は仕事に対して真摯に向き合い、一貫して丁寧な対応を心がけています。一日も早くサンプルをお届けするために、夜遅くまで残業したり、サンプル製造現場に立ち合いし時には食事を抜いたりして、サンプルが期日通りに完成し、無事に出荷できるよう尽力してきました。無論就業時間外の残業や休日出勤でも、製造現場が稼働している限り、必ず現場に赴き、重要部品や製造工程を一つ一つ真面目に検査し、製品に問題がないかを確認してきました。私の信念はただ一つ担当する製品で問題発生させてはいけない、決してお客様にご迷惑をおかけしないということです。

こうした絶え間ない努力と、お客様からのずっと変わらないご支援とご協力のおかげで、当社とお客様の関係はますます円滑になり、それ以来、製品に大きな問題はほとんど発生していません。お客様も私の努力と献身的な姿勢を目にし、「郭さん、売上を上げて、もっと注文を出せるよう頑張ります。」と励ましてくださいました。この言葉は、今も私の心に深く刻まれ、私の前進する原動力となっています。

多くの人々は、手助け後に、食事や贈り物などで感謝の気持ちを表します。しかし、私に多大なサポートと親切に対応していただいたクライアントの皆様に対しては、それらの事では到底足りません。彼らが私に与えてくれたのは、私の人生の軌道を変える力であり、困難な時に支えてくれた温かさでした。この温かさは、単なるビジネス上の取引や職務上の義務をはるかに超えるものです。物質的な報いだけでは、私の深い感謝の気持ちを表すことはできず、また深い恩返しもお客様にできません。

その後私は起業家の道を歩み始め、故郷の工場経営を引き継ぎました。これまで私に深い善意と信頼を寄せてくださった皆様に心から喜んでいただけるよう、より良い人間になりたいです。より有能な人間になり、協力してくれるお客様に迷惑をかけないようになりたいです。自分自身をより良くより強くし、困っている時には手を差し伸べ、皆様の信頼と助けに最大限の恩返し、この温かさと善意が続きより多くの場所に広がるようにしていきたいです。